運動用「ういろう」

2月の東京マラソンをはじめ、盛り上がるランニング市場。給水所のフードもさまざまな商品が生まれている。そんな中、モチモチ食感が癖になる名古屋名菓・ういろうの老舗「青柳総本家」が「ういろう業界初」という商品を開発したそうだ。ターゲットはずばり「アスリート」だという。
1879年創業の同社は、東海道新幹線での車内販売やテレビCMなどを通じて「ういろう=名古屋名物」というイメージの拡大に大きな影響を与えた会社。ユニークな新商品開発のきっかけは、10年前にさかのぼるという。
「トライアスロンの大会用にういろうが欲しい」、そんな注文を耳にした同社常務取締役の後藤知成さんは、「『スポーツシーンにういろうの需要があるのか』とその時初めて知りました」と振り返る。
同社のういろうの主原料は米粉で、適度な水分もある。低資質でおなかへの負担が少なく、携帯も便利だ。「のどごしも腹持ちもいい。考えてみれば、スポーツとの親和性は非常に高い」。
とはいえ、「専用商品を作る勇気はなかった」と後藤さん。ゼリーやバーなど一般的な補給食よりも日持ちせず、特殊用途ゆえ毎日安定して売れる見通しもない、などが理由だ。
アミノ酸入り、グレープフルーツ味など、試行錯誤の末たどり着いたのは、発汗で失った塩分の補給を助ける「塩」だった。通常の商品には含まれていない材料だ。形状は薄型で、包装も開けやすくしたという。パッケージデザインは同社のロゴマーク「柳に飛びつくカエル」がゴールテープを切る姿になっているなど、遊び心も加えたとのこと。
気になる味は、ほんのり塩味が残り、お茶受けとしてもおすすめできるという。それでいて水なしでも食べられる。苦しい時に「食べてもうひと踏ん張り!」とモチベーションになるような、スポーツをさらに楽しくしてくれるおいしさだそうだ。
企画した後藤さんが「栄養強化を優先するあまりにういろう本来の味が落ちては意味がない」と言い切る自信作「青柳ういろうforアスリート」は、「塩しろ」「塩さくら」の各2枚入りで380円だそうだ。
マラソンとういろうとは意外な組み合わせだが、意外と合うのかもしれない。